「ですが。あなたが本当に更生したいというのなら、手を貸します」
シドに背を向け、そう言った。
シドは黙ってその言葉を聞く。
「よく、考えなさい」
「・・・」
「ただし。やると言ったからには、覚悟をしておいてくださいね」
そう言い残すと、クロウは扉を開いて出て行った。
一人残されたシドは背もたれに頭を預け深く息を吐く。
「覚悟・・・か。今更、だよな・・・」
そう呟いた声は、誰に届くでもなく静かに消えていった。
静けさの漂う城の中では、落ち着かないほど思いにふける。
気にするつもりなんてなかった。
あの女の言葉なんて。
自分の生き方は、こうしかないのだと。
そう決めて、そう思って生きてきた。
今更、それを変えることなんて――――――。