「そうだ、ロイは?とても気に病んでしまっていたみたいだったから・・・」

「今回の報告書を作ってもらっています。ロイは人一倍騎士の仕事に誇りを持っている、責任感の強い人ですから。責任を感じているんでしょう」




自分がしてしまったことの重大さをひしひしと感じた。
自分がケガをして、自分のせいだからですまされないのだと。

そのことで、自分のせいでと自分を責めてしまう人がいて、こうして自分の事のように心配してくれる人がいて。




「・・・それと、シドは?」

「彼は、別室で待っていてもらっています。今回の件、無関係ではありませんから」

「牢じゃないよね?今回の事は、本当に被害者なの。私が証明するから」

「わかっています。客間に案内していますから」

「そう・・・。よかった」




結局、シドも巻き込んでしまったのかもしれない。
助けたいと思ってしたことだったけれど、それは裏目に出てしまっているのかも。

梨乃は肩を落とし俯いた。




「今回の事、決してほめられたことではありませんが。必要以上に自分を責めることはありませんよ」

「え・・・」

「プリンセスが、正しいと思ってしたことなのでしょう?」




クロウの言葉に、梨乃は小さく頷いた。