さっきまでの浮き上がっていた気分が嘘のように沈んでいくのがわかった。
堂々と城下にこれた喜びで舞い上がっていたはずの気持ち。

楽しいと、思えていた気持ちが嘘のよう。




「・・・あっちも、みたいな」

「はい」




梨乃がそう言えば、ロイは文句を言うことなくついてきてくれる。
そのことが、どういう事なのか。
梨乃は、そのことに酷く傷ついている自分に気づいた。


わかっていたはずだった。
それなのに。


なにを、期待していたのだろう。




「バカみたい・・・」



ロイに気づかれないよう小さく呟いた。
辺りの賑わいの声が遠ざかっていく感覚。

一人、のこされたような。




そんな・・・。



世界が、モノクロのようだ。
色のない世界。
その世界に、取り残されてしまったみたい。