「つ、疲れたぁぁぁ」
ぐったりとその場に座り込んだ梨乃。
息が上がりヘロヘロの様子。
「その様な場所で座り込んで、はしたないですよ。プリンセス」
「そんな事言われても・・・」
疲れ果て反論する元気もない。
初日から手厳しいレッスンに、梨乃はすでに心が折れそうだった。
「仕方ありませんね。しばし休憩といたしましょう。隣の部屋で飲み物を用意いたします」
ため息を吐きながらクロスがそう言うと梨乃に手を差し出した。
梨乃がそっとその手を取るとすっと引き起こした。
「ありがとう」
「初日にしてはよく頑張られたと思いますよ」
クロウはそう言って笑う。
梨乃はそれに微笑んだ。