「ヘルスター王国との抗争もなくなり、新しい世をつくっていかなければならないこの時だからこそ。新しい風を吹かせてくれるシドが必要なのだ。シドの新しい視点で新しい国を創っていってほしい」

「俺に、できるかどうか・・・」

「不安かね」

「それは・・・」




国王は、優しく微笑む。
穏やかに、温かく包み込むような笑顔。



「一人ではない。隣には梨乃がいる。後ろにはお前を護る側近たちがいる。それでも、不安なことがあるというのか?」

「・・・いえ。必ずや、いい国をみんなで作ってみせます」

「ふむ。それは頼もしい」




満足そうに笑う国王。
シドは梨乃と顔を合わせ微笑んだ。