「わたしの事を覚えていなくてもね、お父さんもお母さんも私の知ってる優しい二人だった」
「そうか・・・」
「ちゃんと、ありがとうとさよなら言ってきたよ」
「そうか・・・。頑張ったな」
「うん。言えてよかった」
心の中にあったひっかかりが取れた気分。
仕えていたものが取れ、素直にこれからの事もこれまでの事も受け入れられるような気がした。
「これで、想いのこすことなくこの世界で生きられる」
「いいのか?」
「うん。私の幸せは、ここに・・・シドの側にあるから」
その言葉が聞きたかった。
確信が持てるその言葉が。
それがあればもう迷うことはない。
きっと、何があってもぶれることはない。
「俺の幸せも、お前の側にあるんだからな」
「・・・うん」