「側にいてほしいに決まってる。・・・俺を救ってくれたのは梨乃だ。俺は、なにも返せていない」

「きっと、プリンセスだって同じ気持ちなはずです」

「選んでほしい・・・、でも、怖いんだ・・・。この世界が、あいつにとっての幸せだって、確信が欲しい・・・」




この世界で生きる道しかなかった。
だからこそ、梨乃はこの場所でできることをして。
そして自分の側にいてくれていた。



「シドが信じてあげられなくてどうするんですか。プリンセスの幸せがあなたの側だと」

「俺の側・・・」

「あなたの側にいる時のプリンセスが、一番いい顔をしているんですよ」





そっと重ねた手に想いを込めて。
兄として、従者として。



願いを、想いを。