「プリンセスとして生きることを強いてきたのは、事実だ」
「それは、そうですが・・・」
「あいつが、解放されたくて。そのチャンスがあるなら・・・、あいつが望むことなら俺は、叶えてやりたい」
今まで、散々護られてきた。
国を救い、人を救い、プリンセスとして。
もういいじゃないか。
十分やってくれたじゃないか。
「ですが、シド、あなたの気持ちはどうなんですか。プリンセスの事を愛しているんでしょう?側にいてほしいと思ているんじゃないですか」
「・・・っ」
「その指輪に、その想いを込めているんでしょう?」
薬指に光る指輪。
梨乃にそういう風習があることを聞いた時。
梨乃にあげたいと思った。
梨乃が想う形で愛を伝えたいと思った。