「シドはそれでいいんですか?あなたは、プリンセスのために王族になることを決意したんでしょう?」

「安心しろ。梨乃がいなくても、次期国王としてちゃんとやる。もし、梨乃がいないなら俺に相応しくないってんなら、その座を退いたっていい」

「なにを言ってるんですか!自棄にでもなってるんですか?」




俯きそう言うシドを、肩を掴んで上を向かせ、、クロウは叫んだ。
迷いながら悩みながらも、次期国王として頑張って来たシドを知っていたから。





「違う。・・・そうじゃなくて。あいつが、梨乃がその方が幸せなら。あいつの幸せがそっちにあるなら仕方ないだろ!」

「シド・・・」

「あの魔術師の言ってたことだって、全部が全部間違いじゃないだろ。危険だったからとはいえ異世界に飛ばして、その世界の人間だと疑わず生きてきたあいつを無理やり引き戻して」