「魔術師フローラ=ダウン。どのような理由があったとしても、この行為を許すことはできません。よって、あなたを王城にて拘束します」

「・・・もちろん、そのつもりさ」




ロイがフローラを引き受け、城へ連れて行く手筈を整える。
クロウはシドを一度宿へと連れて行った。




「気を確かに。どうにかプリンセスを戻す方法がないか、王城で魔術師を尋問する手筈をとっています」

「・・・梨乃自身が戻りたいと思えば戻れるんだろ」

「そうと言ってはいましたが・・・」

「もし、戻って来なかった時は・・・。無理に連れ戻す必要はない」




シドの言葉に、クロウは驚いた。
それは、梨乃がこの世界に戻って来なくてもいいという事。
本当に、それでいいのか。