「ねぇ、あの人はどうなるの?」
「・・・赤髪の男でしょうか?」
「うん・・・」
「あの男は、シド=クローリーという男です」
クロウは、どこまではなすべきかと思案しながらそう告げた。
あまり興味を持たれるのは避けたかった。
あの男は危険だ。
プリンセスと近づけるべきではない。
「倒れていたものへの暴力行為について今調べています」
「あ・・・」
無表情で男たちと戦うあの時の姿を思い返す。
とても怖いと思った。
「プリンセスが、気になさることではありませんよ」
クロウはそう言って話を切り上げる。
梨乃は黙ってそれを受け入れながら、あの男の事を思い浮かべていた。
どうしてだろう。
とても気になる。