「戻って・・・来たの・・・?」



少し前までは見慣れていた景色。
それに、ここは自分が住んでいた場所のすぐ側だ。


自然と足は家があった場所へと向かっていた。




長年歩いたその道は、いくら離れていたからといって忘れられない。
足が、身体が、心が覚えている。





「あった・・・」




長年、ここから学校に行きここに戻ってきていた。





「あら、お客さま?」




不意に聞こえた聞き覚えのある声。
その声を聴いた瞬間、涙が一筋流れた。