「・・・あれ・・・?」



視界が風に覆われ、次の瞬間開けた景色はどこか違っていた。
そこにいたおばあさんも、一緒にいたシドたちもいない。


むしろ、ここは海でもない。



でも、懐かしさを感じるその場所は・・・。




「え・・・、ど、うして・・・?」



コンクリートの地面。
あの世界にはないはずの車が行き交う。



思考が追い付かない。
だって、ここは。



もう、戻ることなんてないと思っていた。
自分の居場所はなくなってしまったその場所。