「楽しかったぁ」
「お二人とも、着替えを用意しましたのでこちらへ」
一しきり海で遊んだ二人は上機嫌で戻ってくる。
頭からびっしゃりと海水を浴びて。
「風邪を召されてはいけませんので、よく髪を乾かしてくださいね」
「わかってます。ありがとう、クロウ」
世話焼きなクロウに笑ってそう告げて梨乃は着替えを用意してある小屋の中へと向かった。
「シドさまも、早く着替えてきてくださいね」
「ああ・・・。ほんと、ああいうところプリンセスらしくねぇな」
「ええ。ですが、とても梨乃さまらしいです」
そう言ってクロウとシドは顔を合わせると、シドも着替えに向かった。
プリンセスらしい、その常識も梨乃が変えていってくれるような気がした。