「プリンセスが、プリンセスとしていられるために。プリンセスのお心も護る。それが、私が目指すべき騎士像なのだと・・・気づいたんです」
「私もですよ。あれほどまで、この身をかけてお仕えしたいと思える方に出会えたこと。私にとって、本当に奇跡のような・・・」
「クロウさま・・・」
「プリンセスがいらっしゃらなければ、私はシドとこうして兄弟に戻ることもできませんでしたし。感謝してもしきれませんね」
クロウは穏やかに微笑み、ロイに視線を向けた。
ロイも視線を合わせはい、と頷く。
「これからも、騎士団長として、よろしくお願いしますね」
「もちろんです」
それぞれの覚悟を胸に。
穏やかな時の流れを楽しんでいた。