「う、わぁ!!」



晴れ渡る空。
香る潮風。


ザザーッと寄せては返す波。



次の日、予定通り海を訪れると梨乃は嬉しそうにはしゃいだ。



「すっかり、元気になったようですね」

「あ、ああ・・・。悪かった」




はしゃぐ梨乃を見つめながら、クロウとシドが言葉を交わす。



「シド!ほら、シドも!」



はしゃぎながらこちらに手を振る梨乃に、シドはフッと微笑んで歩き出す。




「着がえはあるから濡れてもいいってよ」

「本当?あー、水着があればよかったなぁ」

「水着?」

「ここ、ないんだよねぇ。海に入る習慣がないんだっけ」

「ああ、そうだな。海、入るのか?」




足だけを海につけバシャバシャと音を立てながら歩く。