頬に添えた手で顎をクイッと持ち上げると、シドはその唇に自身のそれを重ねた。
チュ、と音を立て軽く触れ合わせると視線を合わせ微笑み合った。
「もう、間違えない」
「うん」
囁くような言葉を残し、再び重ね合わせた唇。
次第に深まっていくキスに、梨乃がすがるようにシドの服を掴んだ。
何度も、顔の向きを変えながら交わされるキス。
唇から洩れる甘い吐息。
ズルズルと、落ちそうな腰をシドが支え、そのままベッドへと向かった。
絡み合うようにベッドに倒れ、重なった視線に二人は顔を見合わせ笑い合う。
そうして、甘い夜が始まった――――――。