護りたいものがあるのに。
護るべき術を失くした。



「あいつと、結ばれたことは確かに嬉しい。感謝してる。でも・・・、俺は、護りたい」

「覚悟を決めたんではなかったんですか」

「覚悟は決めた!あいつの側にいられるなら、俺はなんにでもなるって!・・・でも、俺はやっぱり。戦うことでしか、自分の価値がわからない」



今まで培われてきたものは、なかなか変えることができない。
ただ終わるのを待っていたあの時間。

戦いたくて仕方なかった。
俺だって、戦えるのに。
梨乃の事を、護れるのに。



俺に剣をくれ。




俺に戦わせてくれ。




シドは自分の両手を見つめる。




「戦う事だけが、プリンセスを護ることになるとは思いませんが」