別荘についた一行。
梨乃とシドは休息のため部屋に案内された。


ソファに座った二人の前に、クロウは立つ。




「目的はこれから調べますが、今回の騒動は、野盗によるものです」

「野盗・・・?」

「ちゃんとした住処を持たず、放浪し追いはぎ等をして暮らしている無法者です」

「・・・そんな人たちが」

「特定の住処を持たないためなかなか全滅は難しく、問題にはなっているのです」




悪巧みを企てる人は、どの世界にもいる。





「私は、少し席を外します。この先のめどが立つまでごゆっくりなさっていてください」

「ありがとう、クロウ」





クロウが頭を下げ、部屋を出ると静けさが漂う。
梨乃はそっとシドを見上げた。




「シド・・・?」

「・・・ああ」

「疲れた?少し、休む?」

「いや、平気だ」




口数の少なくなったシドに、梨乃はそれ以上何も言えなかった。