それでも、自分にできることをしよう。
プリンセスとして護りたいものができた。
一生懸命走って、シドが戻ってきてくれて。
願ってやまなかった平和の第一歩が踏み出せて。
まるで夢のような。
あっという間に駆け抜けて行った日々だった。
大すきな人に出会えて。
大すきな人と共にいられる。
それが、公にも認められる日。
「梨乃さま、おめでとうございます」
「おめでとうございます!王子妃さまになっても、私たちは梨乃さまのメイドですから!」
「うん。ありがとう、二人とも」
ずっと、側で支えてくれていたセレナとミオ。
まるでお姉さんみたいで、まるで妹みたいで。
本当に、助けられた。
「二人がいてくれてよかった」
梨乃の言葉に思わず涙ぐむ二人だった。