シドが戻り、視察をつづけた二人。
時間も迫っていたため、駆け足のように回ることになったが、立ち寄る場所場所で歓迎された。



「今日はすごく有意義な時間を過ごせた気がする」

「ああ」

「ロイたちもありがとう。視察とはいえ、自由な時間もたくさん作ってくれて。おかげですごく楽しかった」




梨乃が嬉しそうにそう言うと、騎士たちは頭を下げる。



「プリンセスが城下を訪れることは、城下の人々にとってもとてもいいことだと思います。城下に寄り添っていきたいというプリンセスの想いを伝えるためにも城下への視察はこれからも続けていってほしいと思っています」

「うん」

「私たち騎士は、それを滞りなく行える安全を確保し、プリンセスのお力になれるよう尽力していきます」

「ふふっ、ほんと、ロイって真面目だよね」

「相変わらずだな」




梨乃とシドは顔を見合わせて笑った。