子どもたちと別れると、商店が並ぶ道に出る。
たくさんの店が連なり、商店街のような様子に梨乃は少し懐かしくも思えた。



「雑貨屋さん。・・・見てもいい?」

「ああ」



シドとロイに確認をとると中に入る。



「あ、プリンセス。それに次期国王も!いらっしゃいませ」

「はい、お邪魔します」

「ゆっくり見てやってください。ここにあるのは全部手作りなんですよ」

「ありがとうございます。手作りなんて、すごいですね」




梨乃は並べてある可愛らしい小物を見て回る。
その一角に、指輪のコーナーを見つけた。



「そうだ。婚姻式の時、ここでは王冠とティアラの交換なんだってね」

「ん?ああ、そうだな」




思い出したように梨乃が顔をあげシドを見上げる。