「シド・・・好き・・・」



囁かれるように吐き出された想い。
シドは目を見張るとぼっと顔を赤らめた。




「ずるいぞ、お前」




そんなシドに気付かず、梨乃は再び眠りに落ちた。
はーと大きく息を吐きシドは立ち上がると少しだけ名残惜しそうに梨乃を見て部屋の外に出る。




「・・・邪魔をしてすまなかった」

「いえ。もうよろしいのですか?」

「ああ。あいつを頼んだ」

「はい。お任せください」



クロウと同じセリフにクスクスとセレナは笑うと歩き出したシドに頭を下げた。
そしてミオと共に部屋の中に戻る。


梨乃はとても幸せそうな寝顔で眠っていた。