「熱、大丈夫か?」

「うん・・・。ちょっと、頭が痛いけど・・・」

「無理するから」




大事なものに触れるようにやさしく頭を撫で続ける。
梨乃は心地よさげに表情を和らげる。




「ヘルスターとのこと、聞いた」

「ん・・・」

「すごいな、お前。お前が、この国の未来を変えたんだ」





シドの言葉に、胸が喜びで満ちていく。
誰に褒められるより、嬉しいと感じた。




「うん・・・。シド・・・、ご褒美くれる?」

「ご褒美?なにが欲しいんだ」

「・・・キス、してほしい」



梨乃の言葉に、一瞬息をのんだ。
熱のせいか熱く火照る梨乃の頬。
潤んだ瞳がシドを見つめる。