「・・・はぁ・・・はぁ・・・」
息を切らせ、ベッドに横たわる梨乃を見下ろす人影。
そっとのばした手で梨乃の頬を撫でる。
「ン・・・、クロウ・・・?」
身じろぎ目を覚ましかけた梨乃が寝ぼけながら目をあける。
「・・・おはよ」
「・・・っ、シド」
目を覚ました先にいた人物に、梨乃は一気に覚醒し目を見開いた。
優しく見下ろすシドに、こみ上げてきた涙が溢れた。
「バカ、泣くことないだろ」
「ご、ごめ・・・。だって、いるとは思わなくて・・・」
シドが梨乃の涙をぬぐう。
ふぅ、吐息を吐き気持ちを落ち着かせる。