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「お父様!」
ユリネは、ギュッと拳を握ってダークを呼ぶ。
ダークは視線をユリネにうつした。
「お父様。私、もっと頑張ります。プリンセスとして、お父様のお役にたてるようにもっと。ですから・・・」
「すまなかったな」
「え・・・?」
「俺は、なにも見えていなかった。お前の想いも、自分がなにをするべきだったのかも」
「お父様・・・」
「お前は、お前のままでよい。・・・これからも。俺と共に、この国を支えて行ってくれるか」
初めてかけられる、労いの言葉。
ユリネは泣き出しそうになるのを耐え顔をあげた。
「もちろんです、お父様」
長い間すれ違い続けていた親子の歯車が、ようやくかみ合った――――。