「この度は、突然の申し出を快く受け入れていただきありがとうございます」
深く頭を下げた梨乃の前に座るのは、ヘルスター王国ダーク国王だった。
険しい表情のまま、梨乃を見やる。
「構わんが、いったい何の要件だ」
梨乃たちは、ヘルスター王国に謁見の申し込みをし、受け入れられたためヘルスター王国へ再び訪れていた。
今までと違うのは、戦うためではなく、話をするためだ。
「国王に、お見せしたいものがあります」
「見せたいもの?」
ヘルスター側には、ダーク国王とプリンセスのユリネ。
近しい側近や騎士が後ろに控えている。
梨乃と共に来たのはクロウと、ロイ。
梨乃はクロウに一瞥を送ると取り出した一冊のノートをクロウがダークに渡した。
カノンの母親の日記だ。