「カノンくん」

「・・・っ」

「カノンくんは、ちゃんと愛されてたんだよ。愛されて、生まれてきたんだよ」




梨乃がそっとカノンの身体を抱きしめる。
そのままそっと空を見上げた。




お母さん――――。



カノンくんは、こんなにも立派に大きくなってます。
優しくて、明るくて、花がとても大好きな、素敵な男の子に。





「カノンくん、これを見せたい人がもう一人いるの」

「え・・・」




梨乃の腕の中から顔をあげる。
梨乃はにっこりと笑って見せた。