どうしてだろう――――。
目が、離せない。
あの赤に魅せられて。
惹きつけ、られて・・・。
「って、ちょっと!ダメ!ケンカはダメ!」
思わず見入っていた梨乃だったが、ハッと我に返りその一方的と思えるけんかを止めようと声を上げた。
しかし、その声に止まるはずもなく赤髪の男は襲いくる男たちを蹴り上げ殴りつける。
「だ、だめっ!」
思わず駆け寄ろうとした梨乃を突然一人の男が後ろから羽交い絞めにした。
「きゃっ!?」
「こ、この女がどうなってもいいのか!」
震える声で男が叫んだ。
男は梨乃の首に腕を回し締め上げる。
苦しさに顔を顰めその腕を掴んだ。