「この度は、突然の訪問お許しください、プリンセス」
「いえ。よくお越しくださいました。あれきり、ご挨拶が直接できず、直接お話しがしたいと思っていたんです」
二人は向かい合って座り、クロウは梨乃の側に控えた。
「それで、今日は・・・?」
「はい・・・。あの後、少しカノンの母親の事について調べてみたんです。出生届を調べたこともあり、そこにあった父親の元を尋ねてみたんです」
「カノンくんの、お父様・・・?」
「はい。ですが、話によれば、ただ名義を貸しただけだったようです」
それを聞き、やはりカノンの血のつながる父親はダーク国王であることが濃厚になる。
梨乃はクロウと視線を合わせ、再びアリアに向き合った。
「カノンを身籠った母親が行き倒れていたところを助けたのがきっかけで、面倒を見ていたのだと。その時に、父親のところに名前を書かせてほしいと頼まれたそうです」
「行き倒れ・・・。ヘルスター王国から、こちらに来たところだったんでしょうね」
「ええ・・・」