「き、きんちょぉしたぁぁぁ」




帰りの馬車の中、青ざめた顔で梨乃が言う。
それを見て苦笑するクロウ。



「とても、堂々としておられましたよ」

「はい!ご立派でした!」



クロウに続き、ロイも目を輝かせてそう言った。
梨乃はその言葉に、嬉しくて微笑む。




「よかった。でも、予定外のことまで言っちゃったから、少し不安」

「争いのない未来をつくりたい、という話ですか?」

「うん」

「ですが、反応は悪くはなかったと思います。あの反応には、私も少し驚きましたし」



頑なに拒絶するかもと思われたが、話を最後まで聞き帰る時には、次の訪問も許可するようなことを言っていたことに、クロウたちは驚いた。
梨乃の熱意が、伝わったのだろうと。