「あなたには、人を頼るという事と、信じるということを、しっかりと教えてあげなければいけなかった」
「・・・っ」
「プリンセスと接して、気づいたと思っていましたが。言葉にせねばわからぬこともあるんですね」
クロウは、自分の声が震えていることに気づく。
気づいてしまえば、涙さえ零れてしまいそうで、グッと唇を噛んだ。
「シドは、クロウの事も悲しませたんだよ。皆に心配かけて!もう、勝手にいなくなったら許さないから!」
「―――俺を、受け入れてくれるのか?」
「当たり前でしょう!?シドは、私たちの大切な家族なんだから!」
大粒の涙を零しながら叫ぶ。
その想いに、シドは言葉を詰まらせ腕で顔を覆った。
泣き顔を見せたくない。
それでも、こみ上げてくるものが抑えられなかった。
居場所があることを知った。
自分を想ってくれる人が確かにいることを知った。