「今回の任、私も聞かされていない。独自で調べて決行の日を知った」
「なぜ、お前が阻止する必要がある」
「私は、今までも、プリンセスの暗殺については異議を唱え続けていた。だからこそ、ユリネさまは私にはなにも話さず、他の部隊を使って行動を起こそうとしている」
探るように、シドが視線を向ける。
その視線にも臆することなくスワロは受け止めはっきりと答えた。
「ユリネさまに、暗殺に手を染めてほしくない。ユリネさまは、国王の期待に応えたいあまり、躍起になってしまわれている」
「・・・なぜ、それで俺に頼む。お前が阻止すればいいだろう」
「そうしたい。だが、そうしてしまうと、私はユリネさまの側にいられなくなる。それだけは、避けたいのだ」
信じられるか。
本当は、すぐにでも飛び出してしまいたい。
それでも、もし騙されていたとしたら。
無駄になってしまう。
護りたいものが、護れない。
その悔しさは痛いくらいに味わった。