もう今は夜もすっかり更け、夜明けに近いほどの時間帯だ。
本当に、時間はもう残されていないのだと知った。
「お前がここに来たのは、エスターンのプリンセスを護るため。そうだろう?」
「・・・」
スワロの思惑がわからず、黙り込む。
自分の気持ちを試しているのか。
それとも、他の思惑があるのか。
「そんな、お前だからこそ。頼みたい」
「・・・」
「この暗殺を、阻止してほしい」
「――――っ!?」
真っ直ぐと揺らぐことのない瞳で告げられた。
息をのみ、スワロの反応を見る。
本心で言っているのか、迷いのない瞳。
信じていいのか。
“わかった”そう答えていいのか。
騙されているのでは。
試されているのでは。
その想いがぬぐえない。