どうするべきか。
シドは自室に戻り考えていた。


話の全部は聞こえなかった。
おそらく、公務の時に襲うという算段であることはわかるが、それがいつなのかどこでなのか全く分からないのだ。


自分が気づいたことを、悟られるわけにはいかない。




「――どっちにしろ、俺には何も」




護りたい。
そう思ってここに戻って来た。



もう、戻らないと決めていた場所。




心を消して、想いを隠し。
自分を犠牲にしても、護りたいものがあった。





どうにか、探らなければ。