真っ暗な、闇の中にいるようだ。
何度か、瞬きをしても世界は真っ暗で。
すぐに夜中なのだと気付く。
ぼんやりと目が暗闇に慣れてきて見えた天井は、いまいち見慣れなくて。
自分の居場所は、ここにはないと知る。
「・・・だからといって、もう戻れない」
シドは、切なげに呟くと腕を目の上に持ってくる。
こみ上げてきそうなすべてをグッと押し込め唇を噛んだ。
爪が食い込み血だらけになった手には包帯が巻かれ、それでもなお握りしめてしまう包帯には痛々しい赤い血の跡。
牢獄のようなこの場所に。
今日も捕らわれたままだ。
「これで、よかったんだ――――」