「でも、私はプリンセスとしてここで生きていくと決めたの。プリンセスとして、皆を護るって決めたの」
「護る?ばっかじゃないの」
「うん。でも、決めたの。だから。私の大切なものを傷付けるなら、どんなものでも許さないから」
梨乃は震えるのを堪えながらまっすぐユリネを見据えそう言い切った。
ユリネは一瞬目を見張った後すぐに表情を戻す。
「そう」
短くそう答えると、ユリネは少し黙り込み、そっと手を伸ばすと梨乃の包帯を巻かれた方の肩に触れた。
優しく触れたその手はすぐに力が込められ、ずきっとした痛みが走る。
「あっ」
「プリンセス!」
「っ!おい!」
それに、ずっと黙って後ろで立っていたシドも、動揺したように声をあげた。
すぐにユリネは手を放すとにこりと微笑む。