「初めて、戦をこの目で見て思ったの。・・・終わらせなきゃって。私にそれができるなら。プリンセスの肩書で、少しでもそれがかなうなら!」



わが身を犠牲にしても。



「もう・・・誰も、傷ついてほしくない。誰かを傷付けることが当たり前になってほしくない」




平和な世を生きてきた梨乃には、耐えられないことだった。




「プリンセス・・・」

「私には、・・・他にどうしたらいいかわからないの」



顔を両手で覆い、泣き出した梨乃。
ロイは悲しげに顔を歪め梨乃に近寄る。

そっと梨乃の肩に触れると、ぎこちなく擦った。




「でしゃばったことを言って、申し訳ありません。プリンセスが選んだ道なら、私はどこまでもお供します」

「・・・っ、ロイ・・・」

「あなたを、お守りいたします」