「今日は、本当に楽しかったです。今度は是非我が国へいらしてください」

「はい。必ず。楽しみにしています。おやすみなさい」

「プリンセス、おやすみなさい」




レノンが梨乃の部屋の前まで送ってくれ、部屋の前で言葉を交わす。
梨乃の目にはもう不安も、迷いもなかった。




「あの」



少し考えた梨乃が、レノンに声をかける。




「その、プリンセスというのを、やめていただけませんか?」

「プリンセス・・・ですか?」

「呼び方を・・・。少し、他人行儀に思えるので」




照れながらそう告げると、レノンは目を見張りすぐに笑顔になる。




「はい。では・・・梨乃さまと」

「はい。レノンさま」




そうして二人は微笑み合い、別れた。