「やはり、国を支えてくれる護ってくれる王さまが必要よ」

「そうはいっても・・・。それに、まだ戦が始まると決まったわけじゃ・・・」




聞こえてくる国民の不安の声。
こうして声を直接聞いたのは初めてだった。



「プリンセス、行きましょう」




レノンが気づき、そっと促す。
明るく声をかけながら気分を変えようとしてくれている。




「ありがとうございます、レノンさま」

「・・・はい」




でも、その声を聞き。
梨乃の迷っていた心は少しずつ固まっていった。


今、自分がするべきこと。



プリンセスとして。
皆を、護るために。




自分を犠牲にしてでも―――――