「いつまで沈んだ顔をしているの」
シドに与えられた部屋を訪ねてきたのは、ユリネ。
シドは、壁にもたれ小さくなって座っていた。
自分の手をぼんやりと見つめながら。
「そんなにも、あの子を傷付けたことが悲しい?」
「・・・」
「私のために生きる、そう言ったのは嘘だったの?」
「・・・」
ユリネの言葉に、シドは答えない。
そんなシドに、ゆりねはキッと睨みつけた。
「そんなに気になって仕方ないなら、もう気にならないようにこの世から消してあげましょうか」
「―――!やめろ!」
ユリネの荒っぽい声にハッとしたシドは声をあげた。
ようやく自分の方を見たきっかけの言葉に、ゆりねは激情しテーブルの上にあったコップを思い切りシドに投げつけた。