「クロウ、プリンセスを部屋に」

「はっ」




もう、願うことは叶わないのだ。
シドはもういない。



「プリンセス、行きましょう」




私の側に、もういないのだから。



シド。
シド。




あなたに好きだって、言いたかった。
あなたが、必要だって。




もう、そういう事すら、許されなくなってしまう。





プリンセスになると決めた。
でもそれは、シドといられることでもあったはずなのに。