「おはよー」
クラスメイトの大熊淳が明るい調子で挨拶をする。
梨乃はそんな淳を見やると優しく微笑んだ。
「おはよう、淳くん」
「・・・おお。おはよう、梨乃」
優しく微笑んだ梨乃に、淳は少し照れたように顔を反らす。
それを見たゆりねはニヤニヤと淳を覗き見た。
それに気づいた淳は照れ隠しのようにバシッとゆりねの頭をはたいた。
「いったぁい!暴力反対!」
「うっせ」
短くそう言うと颯爽とかけて行ってしまう淳。
追いかけるように梨乃も歩き出した。
「ああいう暴力男はやめた方がいいわよ、梨乃ちゃん」
「ふふっ、なにそれ」
「でも、実際のところどうなの?」
はたかれた頭をさすりながら梨乃の隣に並ぶ。
梨乃はゆりねの言葉に視線を映した。