戦場を見るのは、初めてだった。
近づくにつれ怒号がでかくなってくる。


剣を交える金属の音が耳に痛い。



叫び声。怒号。断末魔のような声。



怯みそうになる身体を梨乃は必死で抑えた。
怖い。
怖い。


命が消える音がする。





この中に、シドがいる。
味方だった人を殺すために。




「・・・ダメ」




そんなの、絶対にダメだ。
心を奮い立たせる。



シドは、護るといった。
自分を護ってくれると。



その約束は、どこにいってしまったの。




それさえも、捨てていってしまったの?