「それからのシドの事は、私も後々調べて知ったことなのですが・・・。父は、ヘルスター王国に戻って2年ほどで病を患いそのまま亡くなってしまっていたそうです」

「え・・・」

「父を亡くし、頼る者も、お金もなくなった子どもが生きていく手段はどのようなものでしょう・・・。その時、シドは7歳でした」




梨乃の瞳から、一筋の涙が流れた。
たったの7歳。
まだ親の手を必要とする時期。

そんな時に、一人残され、一人で生きていくことを余儀なくされた。



「地を這うような生活をしていたといいます。そんなシドを拾ったのが、ダーク国王でした」

「国王が・・・?」




ロイが眉を寄せる。



「ええ。シドは、戦闘員として雇われることになりました。使い捨ての、戦闘部隊として」

「使い、捨て・・・?」

「その扱いは、とても酷かったと聞きます。ろくな防具もつけさせず、第一線で戦わせる。命を虫けらのように扱われる部隊」