それから、梨乃は食事がのどを通らない日々が続いた。
クロウたちは、励まそうと試みるが、いつも上の空、触れればすぐに泣き出してしまいそうな張り詰めた状態が続いていた。
“自分のせいで”
その想いを強くしている梨乃。
ユリネの事に関しても、いまだに信じられずにいた。
「プリンセス。少しはお食事をとってください。お体に障ります」
「・・・欲しくないの」
「ですが・・・」
毎食のように声をかけるが、いつも同じ返答にクロウは肩を落とした。
シドの存在が、それほどまでに梨乃にとって大切で尊いものだったのだと痛感する。
そして、あの時引き止められなかった自分を責めた。
「クロウさま。教えてください」
梨乃に付き添っていたロイが、意を決したように切り出した。
険しい表情に、強い意志を感じる。