「プリンセス・・・!」
「梨乃さま!」
梨乃が目を覚ますと、たくさんの目が自分を見下ろしている。
驚きながらもいったい何があったっけ、と頭を巡らせた。
「・・・みんな・・・?」
「突然倒れられ、ずっと高熱におかされていたんですよ」
「・・・あ、そうだっけ・・・?」
馬車に乗ってすぐ、なんだかしんどくなって眠ってしまったのは思えていた。
でも、その後の事はうつらうつらしていてよく覚えていない。
長いこと、眠っていたのだろうか。
「気分はどうですか?もう熱は下がって、医師の方からももう大丈夫だとは言われているのですが」
「うん・・・。平気」
クロウに言われ少し考えるが、痛いところはないし、身体ももうだるくない。
側にいるロイやカノンにも、ひどく心配をかけてしまったのだと気付いた。
「ロイも、カノンくんも、心配かけてごめんね」
「そんな!よかったです。僕、ずっと気が気じゃなくて・・・」