「俺、・・・自分が笑えるなんて思ってなかった。笑うって感情、ずっと忘れてたから」 梨乃の返事がない。 声が、聴きたい。 「お前に会って、俺は、初めて尽くしだ」 笑顔が見たい。 笑って。 その声で、名を呼んで。 「好きだ・・・。お前の事が、好きだよ」 ほんとはずっと前から気づいてた。 護りたいと思ってたのは、好きだからで、愛しいからだと。 「俺には、お前だけだ」 梨乃しかいらない。 梨乃をずっと、護りたい。