「お前の仕業だろう」
シドが訪れたのは、ヘルスター王国のユリネの元だった。
険しい表情で睨みつけ、問い詰める。
「そんな怖い顔しないで、また会えて嬉しいわ」
「ふざけるな!香水だと吹きかけたあれはなんだ!?答えろ!」
「なんでそんなにムキになるの?そんなにあの子が心配?」
ユリネがムッとしたように尋ねる。
シドは苛立ちにキッと睨みつけると、ダン!と壁を殴りつけた。
「あいつは!お前とまた会えたことあんなにも喜んでたんだぞ!もう二度と会えないと思ってたからうれしいと!」
「そう。・・・でもね。残念だけど、そんな話聞いてもちっとも嬉しくないの」
「なに?」
「私は一度だってあの子を親友だって、友だちだって思ったことないんだから」
冷たく言い放つユリネは、まっすぐとシドを見据える。
シドは悔しそうに拳を握りしめた。
そんな事、梨乃が聞いたらなんと思うか。
あんなに嬉しそうに笑っていたのに。