「エスターンに、してやられた」



ダーク国王は、苛立ちを抑えられないように声を荒げながら話す。




「エスターンのプリンセスは、この私に臆することなく毅然とした態度で挑んできたぞ。それに引き換えお前は・・・」

「・・・っですが!」

「私に口答えをするな!少しは私の役に立って見せろ」

「・・・はい、お父様」





ユリネは悔しそうに拳を握りしめた。
ダーク国王は一度もユリネを見ることなくその場を後にする。




「ユリネ様・・・」

「うるさい。行くわよ」



ユリネ付きの騎士であるスワロは、苛立つユリネに目を伏せると黙ってユリネに付き従った。